【R&B コード進行】12 Play By R. Kelly

コード進行

今回は何かと話題に事欠かない「R&B界の重鎮 R. Kelly」の楽曲を取り上げたい。

R. Kellyは、92年にR. Kelly with Public Announcementとしてデビュー作をリリースして以来、

数々のヒット曲を世に生み出してきた。そして、その勢いは2000年以降も衰えることなく、

90年代初期デビューとしては珍しく、非常に息の長いアーティストとして知られている。

音楽面での世間からの評価は高い一方、昔から女性問題の噂も絶えず、

19年から続く裁判沙汰は22年現在もなお進行中だ。

今年8月から再開予定の裁判の結果によっては、

最悪の場合、終身刑の可能性もあり得ると、現在かなり追い詰められた状況にいる。。

動機は不純かもしれないが、筆者は最近そんなニュースを耳にし、

久々にR. Kellyの曲を聴いてみたくなったのだ。

そして、聴いてみた結論として、これがまた良かった。。

今回は久々に聞いたR. Kellyの曲の中でも、

特におしゃれなコードが使われている名曲を取り上げたいと思う。

今回取り上げる曲

「12 Play」(1993) By R. Kelly

歌詞の内容は、ベッドの上での一連の行為について赤裸々に綴った内容となっている。

このブログは、洋楽の歌詞解説を専門に扱うものではないので、

詳細は別で確認して頂きたいのだが、90年代のR&Bにはエロい歌詞の曲も結構あるが、

ここまで露骨な表現となると、やはり珍しい部類に入ってくるだろう。。

コード進行

さて、当ブログの本題であるコード進行についてであるが、

この曲のコード進行はなかなかエグイ。

ゴスペルチックで、日本人にはなかなか生み出す事が難しいコードが使われている。

コード進行はあくまで筆者の耳にはそう聴こえるというもので、必ずしも原曲通りとはならない事を予め断っておく。

Key of E  

|EM7|D#m7b5, G#7|C#m9, C9|Bm9, C#m7/E, Caug7/A#| 
|AM9|G#m7, G#m7/C#, Em/G|F#m7, G#m7|F#m7/A, F#m7/B, F#m11|


考察

全体として、かなり黒人音楽っぽさの強いコード進行だ。

特に経過コードの使い方が印象的だ。

まずは、冒頭のEM7に続く3つのコード(D#m7b5 – G#7 – C#m9)について、

ここはEのキーの7度、3度、6度のコードとなり、

ゴスペルの曲でよく使われる「7-3-6」進行というもので、

どこか切なく、エモい響きが印象的だ。

これに続くC9-Bm9では、

ルート音がC#から半音ずつ下がっていく事になるが、

この辺りの経過コードの使い方も黒人音楽特有の響きを醸し出す要素となっている。

4小節目のCaug7/A#は、次に続くAM9への経過コード。

Caug7/A# → AM9と続けて弾いてみると、

クセのあるCaug7/A#がAM9で引き締まる感じが分かると思う。

後半の4小節について、

ここはあえて経過コードを無いものとして捉え直してみると、

シンプルに「4-3-2-5」進行と言えるではないだろうか。

下記の色付き部分を除いて弾くという意味↓

|AM9|G#m7,G#m7/C#, Em/G|F#m7,G#m7|F#m7/A, F#m7/B, F#m11|

最後のF#m7/Bは、Eのキーのツーファイブのオンコードで、

5度のコードと同じく終止形の役割を担う事になる。

この「4-3-2-5」というよくある骨組みの中に上記で色付けした経過コードが加わると、

かなり黒人感強めのおしゃれなコード進行に仕上がるというわけだ。。

ただ言うは易しで、

実際に日本人でこのコード進行を組める人が居たとしたらかなりレベルの高い方だと思う。

なぜなら、この曲のコード進行は狙って作られたものというよりかは、

作った張本人であるR. Kellyという人物のルーツに根差したもので、

自然と生まれ出てきたようなコード進行のように筆者は感じるからだ。

終わりに

久々に聞いてみたR. Kellyの名曲「12 Play」。

賛否両論ある曲だが、コード的にはかなりおしゃれで弾きごたえのある曲だった。

この曲をきっかけにR.Kellyの曲をもう少しディグってみて、

イイ感じの曲を見つけたらまた記事にしたいと思う。

今日はこのくらいで。

オリマテ(Oriental Material)

コメント

タイトルとURLをコピーしました