Michael Jacksonの有名な曲は無数にあるが、
その中でも今回は90年代を代表する名プロデューサーTeddy Rileyが
プロデュースしたこちらの曲のコード進行を見ていきたいと思う。
「Remember The Time」By Michael Jackson
MVにはEddie Murphyのほか、Magic Johnsonも執事役?として出演している。
跳ねるようなビートと、4小節目の終わりのキメの部分がキャッチーなトラックだ。
MVは、Michael Jacksonの公式Youtubeチャンネルより。
コード進行
さっそく、この曲のコードをとってみるとこんな感じだった。
Key of Ab (Fm) Verse & Chorus |C7#9|C7#9|Fm9|Fm9, キメF-Eb-Db| Bridge |DbM9|Fm9|DbM9|Fm9| |DbM9|Fm9|Bbm9|C7#9| ※キメとは、曲中のアクセントとなる部分の事で、 この曲で言うところのイントロの「タッーラァーラァー」の部分を指している。
考察
まずはヴァースとコーラスの部分から。
この曲はブリッジの部分を除くと基本この4小節のループから成り立っている。
コード的には、いきなり「セブンス#9」で始まるところに若干面を食らうが、
解釈としては、この曲のキーがAb (Fm)なので、
3度のコードCm7をドミナントセブンスに部分転調した、という事になるだろう。
この3度マイナーをセブンスに置き換える(Cm7 => C7)というのはよくある手法で、
こうする事でちょっと「切ない響き」に変換する事が出来る。
キメの部分は、単音でF→Eb→Dbと弾くのが自然だと思うが、
あえてコードを付けるとしたら、そのまんま「Fm→Eb→Db」でどうだろうか。
そんなに違和感は無いと思う。
最後にブリッジの部分であるが、ここはダイアトニックコード上の
4度メジャーと6度マイナーのコードを繰り返しながらC7#9に着地する
比較的シンプルなコード進行となっている。
そして、この部分を経て最後のコーラス&エンディングに移っていく。
終わりに
この曲が収録されている「Dangerous」は91年にリリースされたものだが、
80年代にQuincy JonesプロデュースでリリースされたMJの曲達とは、
サウンド面でかなり異なっている。
これも当時、New Jack Swingという新しい音楽のスタイルを確立し、
このアルバムのメインプロデューサーに抜擢された、
奇才Teddy Rileyの影響による所が大きいと思う。
アルバム内には、今回取り上げた曲のほかにも「Jam」や「Can’t Let Her Get Away」など
Teddyが手掛けた作品が何曲か収録されている。
聴いた事のない方にはぜひチェックして頂きたい。
それでは。
オリマテ(Oriental Material)
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