2pacやDr. Dreで有名なDeath Row Recordsに、
当時16歳という若さで契約したR&BシンガーDanny Boy。
今回はそんな彼のデビュー曲「Slip N’ Slide」について紹介する。
この曲をプロデュースしたのは、筆者が最も尊敬するプロデューサーのDevante Swing。
クセのあるAugコードが特徴的な曲だ。
今回取り上げる曲
Danny Boy本人のYoutubeチャンネルより↓
「Slip N’ Slide」By Danny Boy (1996)
この曲は音数こそ多くは無いものの、
ひとつひとつの音がクリアで、とくにベースの音がぶっとい。
いかにも90年代らしいトラックだ。
コード進行
次にコードをとってみると、こんな感じだった。
Key of C
Verse & Chorus
|Dm9, Eaug7|Am9, Gm9, Aaug7|Dm9, Eaug7|Am9, Gm9, Aaug7|
Bridge
|Am, Bdim7/D|C/G, D7/F#|Dm7/F|E7|
|Am, Bdim7/D|C/G, D7/F#|Dm7/F|E7|
考察
まずはヴァースとコーラスの部分については、基本的にこの4小節のループから成っている。
特徴として挙げられるのは、augの使い方だろう。
augコードはセブンスの5度の音を半音上げたコード(構成音 Eaug7:E G# C D)だが、
このコードが入る事で、この曲に良い意味で「いやらしさ」が加わっている。
実際、このaugの部分をセブンスに置き換えてみると、
結構スッキリ聴こえるようになるので弾ける方はやってみて頂きたい。
|Dm9, E7|Am9, Gm9, A7|Dm9, E7|Am9, Gm9, A7|
ついでに、クセのあるm9の音をm7に置き換えてしまうと、
さらにスッキリした曲調となり、
ここまで行くとなんだか個性の無い曲になってしまう。。
|Dm7, E7|Am7, Gm7, A7|Dm7, E7|Am7, Gm7, A7|
次にブリッジの部分だが、ここの特徴はベースのクリシェだ。
Dの音以外は、ベース音が「A→(D)→G→F#(Gb)→F→E」と半音ずつ下って行き、
それに伴ってコードチェンジがなされている。
そして、このブリッジを経て、またコーラスに戻る事になる。
おわりに
Danny Boyは若くしてDeath Rowと契約を結んだが、
残念ながら、その当時にアルバムがリリースされる事は無かった。。
その後、しばらく期間が空いて、
2010年に「It’s About Time」という名前のデビューアルバムがリリースされるのだが、
これがなかなかの名盤!
ほとんどの曲のプロデュースをDj QUikが手掛けており、Devanteも2曲ほど参加している。
興味のある方には、ぜひ試聴をオススメする。
今日はこの辺りで。
オリマテ(Oriental Material)
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